自分と向き合う⑴

人生をふり返って「不幸だ」と嘆くのも、「幸せだ」と満足するのもその人の考え方や感じ方によるところが大きいかと思います。人と比べて自分と相手とどちらが幸福か不幸かは比べることはできません。仮にあの人のように幸せになりたいと思ってみても、あなたからみて幸せそうに見える人が実際「幸せ」かどうか、人の心の内は意外とわかりません。幸、不幸は自分の心が決めるものかもしれません。人の心の内はわからないものだとしても、自分の心の内は理解しておく必要があります。

人には大きく分けるとふたつのタイプがあります。考えても答えの出ないことをぐるぐると頭の中で考え込んでしまう人と、今、答えの出ないことは考えても仕方がないとして、悩んでも一日、悩まなくても一日なら自分のしたいことをするという人とがいます。

兎に角行動する

前者のタイプの人は、気がかりなことがあるとついつい考えてしまうと思いますが、くれぐれも「自分の気持ちには向き合わず」に、他のことに関心を向けるようにすることをおすすめします。例えば、散歩する、好きな音楽を聴く、録画してあったテレビドラマを観る、映画を観に行く、料理をする、外で好きなものを食べる、部屋の一角をきれいにしてみる等々、気分転換をすることが、頭の中でぐるぐると考えて堂々巡りすることから脱出するコツです。兎に角思い切って何かできそうな行動をすぐに起こしてみることです。

気分転換で解決しないこと

しかし、気分転換では解決しないこともあります。

それは例えば…

人の何気ない態度や言葉に傷ついてしまうのか

何故人のことを羨ましいと思うだけではなく妬んでしまうのか

自分は悪くないと思うあまり、相手の言葉を聞くより先に、相手を責めてしまうのか

素直に人の話が聞けないのか

人に「余計なひと言」をついつい言ってしまい、つきあいが続かないのか

恋愛してもいつも同じようなバターンでうまくいかなくなるのか

職場の上司との関係がうまくいかないのか

等々といった、人間関係の悩みで苦しくなっている場合です。

自分と向き合う必要性

これまで生きてきた経験から、人間関係が何故うまくいかないのか、何故しんどいのかに気づく機会がなかったとしたら、何故うまくいかないのか、何故しんどいのかを知るために「自分と向き合う」必要があるのかもしれません。

人との関係がうまくいかなくて苦しいのは、幼少期から今まで、人に傷ついてきた心の傷があるからです。今の人間関係のパターンは、あなたの過去の体験からくる感情によってつくり出されています。あなたがもうこれ以上は傷つきたくないと無意識に自分の心を守ろうとしているにもかかわらずうまくいかなくて、ますます人との関係に苦しさを感じるのは何故でしょうか。

その苦しみの解決方法が「自分と向き合う」ことです。

自分と向き合うとは

「自分と向き合う」とは「自分の悩みの元」となっているものは何なのかを探るために、自分がどういう体験をして、その時自分はどんな気持ちだったのか、その時どう自分の気持ちを伝えたかったのかを知り、ただひたすら自分のあるがままを受け入れ、自分を理解し、過去の課題に向き合って乗り越えていくことなのです。

「自分と向き合う」 (2) に続きます