コロナの時に⑰五感

最近の家電の流行は、「五感を満たす」が製品のキーワードになってきています。

以前は五感にかかるストレスをゼロにする商品が主流でしたが、コロナの流行で家に居る時間が増えたことで、更に心地よくゼロをプラスにする五感に訴える商品が増えているそうです。

コーヒーメーカーを例にとると、通常コーヒーが抽出され、注がれる様子は覆われて見えませんが、あえてそれを見せて、五感の聴覚・視覚・嗅覚を満たす製品です。

お湯が注がれる音がし、コーヒーが膨らむ様子を目で見ることができ、香りもよりダイレクトに伝わるといったものが発売されています。家電も便利なだけではなく、心地よいと感じさせるものが主流になるのかもしれません。

「五感」とは

五感とは、視覚(見る)、聴覚(聴く)、味覚(味わう)、嗅覚(嗅ぐ)、触覚(皮膚で感じる)の感覚のことです。中でも視覚は五感の80%を占めているそうです。

五感は、人が外界の情報や生命をおびやかす危険をキャッチする重要なセンサーの役割をはたしています。五感で得た情報はすぐに脳へ送られ、適切と思われる行動をすぐに起こさせるようになっています。

五感と脳には密接な関係があり、脳が疲れてくると五感が鈍くなってきます。逆に何らかの理由で、五感が鈍ると脳の疲れを引き起こすこともあります。

「脳の疲労」とは

では「脳の疲労」とは、どういう状態でしょうか。

脳には司令塔と呼ばれる「本能」と「理性」をつかさどる場所があって、全身に司令を出しています。その間には、例えば呼吸や内臓の働きなどのように意識しなくても生存できるように動いてくれている「自律神経系(交感神経と副交感神経)」があります。

この三つの関係性によって、外から入ってくる情報等がうまく処理されるようになっています。それがスムーズにいかなくなるのが「脳の疲労」です。

脳を疲労させないために

脳疲労の初期症状は「五感に関する症状」、「睡眠障害」、「便秘」があります。どれも自覚しやすい症状です。例えば、食事をしても味がしなくなる、臭いに鈍くなる、寝つきが悪い、夜中にひんぱんに目がさめる、起きていてもぼんやりしている、集中力がなくなる等々があります。

脳を疲労させないためにできることは、五感に働きかけ「心地よい」と思う状態を整えて、脳に余裕をつくることです。

五感を意識する

五感を意識して、五感から入ってくる情報を「心地よい」に変えます。

何を心地よいと思うかは人それぞれです。

 

あなたは何を見たいですか? 

きれいな景色でしょうか
あなたは何を聞きたいですか? 

自然の中の小鳥のさえずりでしょうか
あなたは何を食べたいですか? 

好きな食べ物はなんでしょう
あなたはどんな香りが好きですか? 

季節のごとの香りでしょうか
あなたはどんなものに触れたいですか? 

水の感触でしょうか

あなたにとっての心地よさ

私たちは、自分が思っている以上に、日々自分の周りの環境に影響されて生活しています。例えば、部屋の温度、明るさ、壁紙の色、雰囲気等々。そしてつき合う人はいちばん影響が大きいかもしれません。転勤や引越しで環境が変わると、五感が一変することがあるのはそのためです。

仕事でも日常生活でも、どんなに集中していても一時間に一度はスマホやパソコンやテレビを目から外して、体を伸ばし目線を上げて、深呼吸をしてみましょう。あなたが「心地よい」と思うことを試してみてください。意識すれば簡単に「心地よく」できることは多いはずです。 

幸福感

五感に働きかけて「心地よい」を重ねていくことは、手っ取り早く「幸せ」を感じるひとつの方法です。

それは、ある程度「幸せ度は自分で調整できる」ということでもあります。

 

なんとなく不調で、前へ進めないもどかしさを感じている人は、絶不調になる前に五感に働きかけてみてください。自分の日々の生活を丁寧に選択して生活していきませんか。