コロナの時に⑮白黒思考

ストレスを感じるものの捉え方のひとつに「白黒思考」があります。

「白黒思考」とは、「白か黒か」「0か100か」「全か無か」「敵か味方か」といった両極端な考えで割り切った答えを出してしまうことです。それも本能で無意識に反射的、自動的にしています。

 

白と黒の間の「グレー」というあいまいさに耐えられなくて思考にグレーゾーンがありません。あいまいなこともあるとは考えにくいのです。育った環境や経験から学んだことで身についた考え方の癖です。

ひとつことがうまくいかないと、すべてがダメだと思ってしまいます。

尊敬している人の嫌な面が少し見えただけで、尊敬が尊敬するに値しない人に変わることがあります。

物事がうまくいった時の自分は「できる自分」で万能感に満たされます。少しでもうまくいかなかった時の自分は「ダメな自分」で無力感に打ちひしがれます。

 

 

偏った見方をしているので、自分をありのままに見ることができません。

完璧でないとダメだと思い込んで、信念になってしまっていることもあります。自分にも、人にも批判的でジャッジするような見方をします。それでは自分に対しても、人に対しても優しい眼差しを向けることはできません。

 

心の揺れ幅が大きいので、人間関係にもつまずきやすく、ストレスにさらされることも多く、生きづらさにつながります。

太陰太極図(たいいんたいきょくず)

これは「太陰太極図(たいいんたいきょくず)です。

どこかでみかけたことはありませんか。中国起源の図で、東洋医学などによくみられます。

「太陰太極図」は、あらゆるものが陰と陽のバランスによって成り立っていることを表しています。

 

黒色は「陰」=「内に蓄えた静かなエネルギー」、白色は「陽」=「外に放出される動的なエネルギー」。黒の中にが、白の中にが書かれていますが、これは完全な「陽」も完全な「陰」もないということを表します。

バランスを保って生きる

陰陽には善悪も優劣もありません。「陰」「陽」は表裏一体、共存しています。陰と陽が真ん中で完全に二等分されてなくて、ぐるぐる回っているかのように書かれているのは、陰から陽へ、陽から陰へと変化しながら、バランスをとっているということを表し、陰にも陽にも偏らないバランスのとれた状態を「中庸」(ちゅうよう)としています。

バランスを保つことが理想で、バランスを崩すことで不健康になったり、不安になったり、悩んだりということが起きると考えられています。

このように陰と陽があり、私たちは変化しながら、完璧ではないところでバランスを保ちながら生きているということをよく表した図です。

世の中のものは、自然も人も「白か黒かグレーか」どころか、カラーのグラデーションです。私たちは白か黒かというような世界には生きていません。人も人が紡ぐ人生もグラデーションです。

 

例えば、四季の移り変わりも、この日から春、この日から夏、この日から秋、この日から冬と区切られているのではなく、季節は次の季節の気配を感じながらだんだんと移り変わっていきます。

あなた色

 

人はそれぞれに色を持っています。色に善悪も優劣もありません。正しい、正しくないというような二分思考、白か黒かで人や物事を見てしまうことはバランスの取れた見方ではありません。グレーゾーンがあった方が、心穏やかに生きられるのではないでしょうか。

あなたはどうでしょう?白黒思考になっていませんか。

 

そうかもと心当たりがあったとしたら、第三者の視点をもつことです。ほんとにこれではダメなのか?と。周りの人がどうしているかもみることです。あなたはもう充分にがんばっています。これではダメ、これではいけないと考えるより、最低これだけはやるというところで目標設定をしてみることです。フッと肩の力が抜けるはずです。そこから目標を再設定して高くすることだってできるのですから。

場面によりしっかりと判断する

人生には、いろんな場面があります。

ふたつのどちらかを決定しないといけないような差し迫った場面。

結果を予測できずに、適当にでも進めながら選択していくしかない場面

どちらに転ぶのかわからず、とりあえずはどちらでもいいように思える場面。

白黒思考の人はどちらかというと、場面によって使い分けることが苦手です。

どういう場面なのかをしっかりと判断して行動することがたいせつです。