コロナの時に➈感情のこと

イギリスの文豪ウィリアム・シェークスピアは「人間は感情の動物だ」と名言を残しました。

人間の基本的感情を大まかに分類すると「楽しみ・嫌気・悲しみ・恐れ・怒り」五つです。

 感情について少し細かく分類し、わかりやすく表したものに心理学者ロバート・プルチックによる「プルチックの感情の輪」があります。

シックスセカンズジャパン出典

「プルチックの感情の輪」は、人間の感情が色の分類に似ていてグラデーションがあり、色が濃いほど強い感情を表し、色が薄い感情ほど混ざり合いやすくなっていることを表しています。

中心の8つの基本感情は、「喜びと悲しみ」のようにプラスとマイナスの感情が対になっていて、対の感情は同時に起こりにくくて、移行もしにくい感情です。隣り合った感情やひとつ置きの感情は混ざりあうと、人間特有の高度な感情である二次感情が生まれるといいます。例えば「喜び」と「信頼」からは愛が生まれるといったようにです。

 

「感情」も「気持ち」もどちらも人間のこころのありようを表すものですが、「感情」は突発的で強く感じられるものです。長く意識できるものではありませんが、自然と消えてなくなることはありません。

 

「気持ち」は自身の経験などから感情に意味づけや解釈、評価を加えたものであり、変化していくものでもあります。

グラデーションのように混ざり合った感情から生まれるものです。

感情のイメージは?

あなたは「感情」というと、どんなイメージを思い浮かべますか?

例えば

「感情的になる」

「感情をコントロールする」

「感情を抑える」

「ポジティブな感情・ネガティブな感情」など

あまりよいイメージのものは浮かんでこないのかもしれません。

物は言いよう

 

本来感情は抑えるものでも、コントロールするものでもありません。ただ感情表現に気をつけることがたいせつです。相手に直接伝わるので、人間関係での要になるからです。特に批判的な感情表現には気をつけなければなりません。ことばを選ぶことです。物は言いようです。同じことを相手に伝えるにしても、言い方によって印象が変わります。

感情とは

何の意味付けも解釈も評価もされていない「感情」はとてもシンプルで、「正直に素の自分の気持ちを表す種」ということができます。

気持ちの前に「感情」レベルでどのように感じたかを意識することはとてもたいせつです。何故なら「気持ち」には理性や思考が入ってきます。

 

「理性」や「思考」は「感情」や「行動」とは相反するもので、結果として選択する時の妨げになることがあるからです。感じて行動して、初めて選択です。もちろん理性や思考もたいせつではありますが、理性や思考が優先されると生きづらくなるのではないでしょうか。

 

「何をしたいのかがわからないんです」

「自分の気持ちがよくわかりません」

「生きているという実感がもてません」

 

 この言葉の裏には、蓄積されて「ないものかのように」されている「感情」があるのかもしれません。

何を感じたかを信じる

 

気持ちの前に感情です。

何を思ったかではなくて、何を感じたかです。

人のことはわからずとも自分の感情は自分のもの、しっかりと感じて行動することをたいせつにしたいです。

難しく考えて人生をややこしくする必要はありません。

「感情」を日常の選択から人生の選択まで、何を選択するのかを教えてくれるものとして捉え、自分の「感情」に蓋をすることなく、自分の望むように選択していくことは生きる基本です。「気持ち」という意味づけをされる前のシンプルな「感情」に沿って、「どうしたいか」で人生の選択をしていくことは大事なことだと思います。