「まさかの坂」

新型コロナ感染症の流行で、落ち着かない日々を送っています。

人生には、まさかと思うような事態が起こることがあります。

まさかと思うような事態が起こることは、人みんなに平等に言えることです。

私はそれを「まさかの坂」と呼んでいます。

明日はわからない。「まさかの坂」でつまずいても、七転び八起き。

事態暗転も事態好転もあることです。

 

同じ一日を過ごすなら、今のような事態の時は、悪い方向に行くとは限らないと希望をもって、家に居てしかできないことをみつけていきたいですね。「はじめての星空絵本」は、おとなも子どもも楽しめる絵本です。時折、夜空を見上げませんか。

     画像Amazonより引用

なんとなくいつもと違う

 誰でも病気に罹ることがあります。食事・睡眠・運動・社会参加のどれかに「ちょっとなんとなくいつもと違うな…」「なんとなくやる気が失せているな…」と感じ始め、かなり無理して仕事に行っているというような場合、発病に至る前の未病という状態かもしれません。「未病」とは、発病には至っていないものの軽い症状がある状態です。

風邪だと「風邪かもしれないお医者さんに行こうかな」となりますが、それが精神科・心療内科というと日本ではまだまだ敷居が高く、気軽に「お医者さんに行こうかな」とはなりにくい実態があります。

早めの手当てが回復の近道

今のところ、精神科領域ではレントゲンや血液検査などで客観的に診ることが確立されていないので、未病といっても客観的な数値で少し異常があると知ることができません。

食欲に変化がある、寝られない、胃腸の調子も何となく悪い、気持ちが沈む、何かと不安になる等々。「いつもと違う…」には、迷わず精神科を受診されることをお勧めします。

 

早めの手当ては、治癒するのに時間という面でも、金銭的な面でも、心理的にも損失が少なくてすみます。病になることは、人生の転換するきっかけにもなりますので、必ずしも人生の損失ではありませんが、苦しい時間は短い方がいいのではないでしょうか。

夜に開いている精神科診療所

 

「若者のメッカ」といわれる大阪アメリカ村(心斎橋3分)に、夜しか開かない精神科、内科と皮膚科も併設の「アウルクリニック」があります。院長の片上徹也さんは、若者が不調を感じた時に、終業後の夜間帯(23時迄)に開いていると、クリニックにつながりやすくなり、早期発見に勝る治療はなく、早目に関わることで、治りも早くその後の時間も有意義なものに変わる。そのきっかけをつくりたいとの思いがあったと著書の中で語っておられます。

  Amazonより引用

アウルクリニックの志

『アウルクリニックを始めたのは、働く人の役に立ちたかったからです。

 よく言われることですが、今の日本人は忙しすぎます。体調が悪くてつらくても、日中に仕事をしている人は周りに気を遣って休めない、病院に行く余裕と時間がありません。病院に行きたいと思っても、終業後の夜間帯に開いている病院は非常に少ない。そんな「診療難民」はきっとたくさんいるはず』(片上徹也「夜しか開かない精神科診療所」より引用)

また

『初診の時、本人から今の体調はもちろんのこと、成育歴や家庭環境を聞くことにしています。なぜかというと、心の病の多くが親から植えつけられた「自分はこうでなくてはならない」という思い込みに端を発しているからです。』と。(片上徹也著「夜しか開かない精神科診療所」より引用)

 

もちろん無理に聞き出したりはされませんし、別なアプローチをされるとのことです。

病から離れる

しんどくて精神科、心療内科を受診した時には、日常生活のリズムを戻すことを軸にして、社会生活や生活の質といったことを中心に回復をめざすのがよいのではないでしょうか。

食欲や睡眠といった生活が整っていき、安心感が戻ってきて、ある程度回復してきたところでカウンセリングを受けるとよいかもしれません。

生活習慣病といわれるように、こころの病でも同じことが言えると思います。

病気はよくなっても、人生を決める選択のパターンを変えないと、なかなか病気との縁は切れないかもしれません。

「まさかの坂」を転機に

まさか私が病気になるとは思っていなかった…

人生の思わぬところで出くわした「まさかの坂」でつまずいたとしても、ピンチはチャンスです。

病気を人生の転機ととらえて、カウンセリングで、気持ちをことばにしていくことで気づいていく…

 

自分の本心に触れていき、人生を本音で選択していくことが、自分の人生を歩んでいく第一歩になることと思います。