ひきこもりからの 脱出への第一歩

 時代は昭和から平成、「令和」へと新しい元号が決まりました。

こころ新たな気持ちになります。

 

先日、中高年(40~64歳)のひきこもりが61万人と内閣府の初調査でわかったとの報道がありましたが、若年層(15~39歳)のひきこもりは2015年の調査で54万人で、合わせると100万人を越える方々がおられることになります。

 

私がひきこもりのご家族への支援を考える時の指針となっているのが、「officeドーナツトーク」代表 田中俊英著 岩波ブックレット『「ひきこもり」から家族を考える』です。手引書として、実践的でとても良書です。

 

地雷を踏まない

以前に参加した田中俊英氏の講演会での印象的なお話は、

「親が動き、スモールステップを重ねていけば、往ったり来たりはするけれど、3年でその8割が、例えばアルバイトの入り口に立てるなど、社会参加できる」とのことでした。(スモールステップについては、著書に任せるとして)

それと「まずは母が意識なしに踏んでいる地雷を踏む回数を減らすこと」だとも話されていました。

 

 地雷とは、下記の話題です。

① 仕事・将来・学校

② 親の健康・転職・死

③ 同級生

 

例えば、父の病、体調がよくないということが起こった時も、最低限しかその話に触れない。倒れても説明しない。などということです。

 

もちろん父もですが、「母が本人の近くにいることが多いので、1日5回は地雷を踏んでいる可能性があるとすると、週に35回は踏んでいることになる。母の地雷は分かりにくく、子は傷つく。地雷かどうかは本人の反応、態度でわかる。地雷を踏むのを3日に1回にする…1カ月に2回にする…と続けていれば、必ずや次のステップに行く」とのお話でした。

 

お母様にとっては「地雷を踏まない」ことは、なかなか難しいことかもしれませんが、やってみる価値はありそうです。

ご家族も人生を楽しまれていますか?

お母様もご本人同様、あまり外出されないお母様がいらっしゃるというお話もありました。ご自分の人生を楽しまれていますか?そんな気になれないという時期もあるかもしれませんね。

 

今したいことを、好きなことを、無理なくできそうなことからやってみるのもいいかもしれません。日常から少し離れる時間へとスイッチを切り替える。そうすることで、日常を過ごしていて見える景色が、少しだけ違って見えるかもしれません。

それもきっと地雷対策になるのではないでしょうか。